夏姫春秋〈上〉 (講談社文庫)



夏姫春秋〈上〉 (講談社文庫)
夏姫春秋〈上〉 (講談社文庫)

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『夏姫春秋』(上、下)

宮城谷作品特有の教義的な内容から懸け離れ、夏姫や周囲の者を取り巻く因縁に主眼が向けられており、奇抜な印象を受けた。
また、夏姫のみに焦点が当てられているわけではないため、他の作品と比べると深みに欠けているようにも感じられた。
宮城谷作品の中では一番一般受けする作品

抱いた男は全て死ぬか、国を追われる破目になる、
凶風の持ち主、鄭の公女夏姫に関わった男達の物語。
夏姫を抱かなかった楚の荘公(旅)の偉大さがよく理解出来ます。
私は春秋時代で一番好きな国は斉だが、
これを読んで楚もイイ!と思うようになりました。
ちなみに一番嫌いなのは晋です。
鄭視点が多いので、
晋視点では大物とされる趙盾の小物振りも語られ、
晋嫌いには至福の本です。
他人の評価ばかり気にしてる嘘の人格者趙盾w
陰徳の教えが素晴しいですよね。
良い事は他人に知られないようにするべきざんす。
男を破滅させる夏姫は、
ラストで一応救われるが、
「女一人救えないで国を救えるものか!」
と救う人物が楚の大臣なのは気に入らない。
女一人の為に楚を捨て晋に亡命するのだ。
宮城谷作品の中では一番一般受けする作品だと思うが、
宮城谷作品としてはフツーだと思う。
私の現時点のベスト5は、
「天空の舟」
「晏子」
「太公望」
「孟嘗君」
「楽毅」
である。
次に好きな礼の巨人「子産」 の伯母が、
淫乱娘夏姫だったなんて知りたくなかったw

楚の荘王を堪能せよ

宮城谷作品を読んだ2冊目がこれでした。躊躇なく人に薦められる
本です。

宮城谷さんのすごいところは、登場する名君が(皮肉ではなく)本当
に『名君』らしく描かれているところです。つまり、読む者をして、
この主君に仕えることの感動を読者にも味あわせてくれるとともに、
優れた主君を得た臣下の心の感動や震えを我が事のように読み手に
感じさせるところだと思います。

私にとってこの本は、楚の荘王と、彼に関わりを持つ者達の物語
なのでした。
正直面白いです。

宮城谷さんの作品にはいつも唸りをあげてしまう。
文章が上手い。中国の雰囲気にぴったり。
主人公夏姫は,類まれなく美しいが,美しいが故なのか,
周りにいる男は殆どが不幸になっていく・・・・。
そして,めくるめく運命の乱流。
上巻ではなかなか夏姫の意思や実態が掴めにくいところも
あると思うのですが,下巻まで読まれることを
お勧めします。
下巻ではやっと夏姫が現実を取り戻した,
そんな実感がわきますから。

あと,この作品はとっても読みやすいので,宮城谷さんの本が
初めての人にはかなりお勧めです!
夏姫春秋、その詳細は下巻に続く…

直木賞受賞作を追う途上で読み始めました。昔の漢文好きの血を熱くする文体で、このあと宮城谷作品にどっぷりはまる契機となった作品です。ですから好きな作品であり、もちろん十分傑作なのですが、ちょっと個人的蛇足。冒頭部から引き込まれて読み進めて行くと、ある時点から夏姫の姿がなかなか現れなくなり、夏姫にまつわる男性たちの物語がいつしか本流となりました。その物語は波瀾に富み含蓄深く、著者独特の春秋戦国の世界に浸る事ができましたが、ときどき「それで夏姫は?」と言いたくなりました。…もちろん彼らはこの物語のもう一方の主役であり、この部分が描き込まれていればこそ、下巻まで読み進めば夏姫はいよいよ血肉を持った女性としての実体を現し、感動のフィナーレを迎えるのですが、この構成だと、そこまで我慢できずに、上巻を読んだところでドロップアウトしちゃった人もいたのではないかと、老婆心ながら心配になりました。(単行本も上下巻に分かれていたのですよね。一冊にして出した方が感動が濃かったのじゃないかしらん。)



講談社
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